中国の政策当局者にとって、食糧の安全保障と自給自足は長年の優先課題となっている。ロシアのウクライナ侵攻で、中国はこの問題を重視する理由がさらに増えた。食糧輸入から脱却するには、バイオテクノロジー産業への投資を増やし、遺伝子組み換え食品の利用を拡大する必要がある。国営新華社通信によると、中国の習近平国家主席は週末、食糧の自給自足の重要性を改めて強調した。「中国国民の飯茶わんは、主に中国産の穀物で満たされなければならない」これは新しい課題ではないが、現在の政情と市場の不安定さが、この問題を一段と無視できないものにしているようだ。特に、自給自足を経済の重要な柱としている中国政府にとってはそうだ。市場が戦争による供給混乱を注視する中、小麦やトウモロコシの価格がここ数週間に急騰している。時に欧州の穀倉地帯として知られるウクライナは、それらの作物の主要産地だ。UBSによれば、同国とロシアは合わせて世界の小麦輸出の28%、トウモロコシ輸出の16%を占めている。