米国では現在、ガソリン価格が高騰しているため、燃費の優れたクルマに注目が集まっている。だが、そのようなクルマは販売店でもなかなか手に入りそうにない。ロシアのウクライナ軍事侵攻とそれに伴う混乱で燃料費が高騰し、自動車業界には新たな衝撃が走っている。これまで何年もスポーツ用多目的車(SUV)やピックアップトラックの販売好調が続いてきたが、ここにきて燃費の良さが再び注目されている。ただ、ディーラーや業界経営陣、アナリストらによると、販売店の在庫は新車も中古車もかつてない低水準で、乗り換えを検討している買い手にとっては選択肢が少ない状況だという。全米自動車協会(AAA)によると、米国の平均ガソリン価格は2008年7月に記録した過去最高を更新し、12日には1ガロン(約4リットル)当たり4.33ドル(約600円)に達した。8日に発表された米国によるロシア産原油輸入禁止措置は、目先の燃料費を押し上げる材料となっている。