年内にロシア産ガスへの依存度を現在の3分の1に縮小するという欧州の野心的な計画は、成功する可能性がある。だが、それには経済的あるいは環境的な代償を伴うだろう。欧州連合(EU)は今週、鉄鋼や高級品などの産業を対象とする新たな制裁措置を発表する予定だが、米英が導入したようなロシア産エネルギーに対する禁輸措置は議題に上がっていない。2027年までにロシア産燃料への依存から脱却するというEUのロードマップには既に、やるべき作業が山積している。EUは、ロシア産ガス輸入量を、現在の年間約1550億立方メートルから来年は約550億立方メートルに減らしたい意向だ。ノルウェー、アルジェリア、アゼルバイジャンからの既存パイプライン経由で100億立方メートル程度の追加調達は可能だが、その5倍の液化天然ガス(LNG)を手当てすることが必要になる。