なぜ「業績の悪い老舗」が買いなのか?
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、働きながら50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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「売却益=株主還元」のシナリオ
東京証券取引所で上場企業に対する株主還元が強化されていた最中、僕は「不動産の売却によって得られた利益は、株主還元に回されるはずだから、これは間違いなく買いだ!」とアパレルブランド「NEWYORKER」などを展開しているダイドーリミテッド(3205)株を買った。
業績派が見逃した「配当50倍」のビッグサプライズ
決算短信などで企業の業績(収益)ばかりを見ている投資家は、この発表に反応せず、株価は安いまま放置された。そうしたところ、2024年7月になって「増配」を発表。しかも、前期「1株当たり2円の配当」から、一気に「1株当たり100円の配当」と50倍もの大幅増配となった。
株価は9倍近くに! 資産バリュー株の破壊力
この増配ができたのも、土地と建物を売却した余裕があったからだと僕は思っている。2022年7月当時は1株150円程度だった株価は一時、1000円を超え、2026年1月現在も1300円以上で推移している。
【解説】「P/L脳」から脱却し「B/S視点」を持つ
この事例から学べる最大の教訓は、多くの投資家が「P/L(損益計算書)」、つまり「今の本業が儲かっているか」に囚われすぎているという事実です。
普段、私たちが注目しがちな「営業利益」は企業の基礎体力ですが、今回のダイドーリミテッドのように株価を数倍に押し上げるマグマは、往々にして「B/S(貸借対照表)」の劇的な変化や、突発的なニュース(固定資産の譲渡)のほうに潜んでいます。
「一過性の利益」こそが配当の原資
「土地を売って利益が出たけれど、それは一過性のものだから評価しない」。こう考える投資家は少なくありません。確かに企業の継続的な成長力を見る上では正しい視点ですが、株主還元が重視される今の市場環境下では、その考え方は致命的な機会損失になりかねません。
なぜなら、一過性であろうと「現金は現金」だからです。企業の中に積み上がったキャッシュは、もはや経営陣が好き勝手に内部留保できるものではありません。アクティビストや東証からの圧力によって、高い確率で「特別配当」や「自社株買い」という形で株主に還元される運命にあるのです。
発表から還元までの「タイムラグ」を狙え
もう一つの重要なポイントは、不動産売却の発表(2022年)から、大規模な増配発表(2024年)まで、約2年のタイムラグがあったことです。
市場は、実際に増配が発表されるまで、そのキャッシュの価値を過小評価する傾向があります。多くの人が「まだ還元されるかわからない」と疑心暗鬼になっている間、あるいは業績の低迷に気を取られている間こそが、安値で仕込む絶好のチャンスです。
「資産売却のニュース」が出たら、その資金がどう使われるかをシミュレーションし、果実が実るまでじっくりと待つ。情報の「先回り」と「忍耐」こそが、資産バリュー株投資で大きな利益を得るための極意と言えるでしょう。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。










