書店で一番売れているETF本の最新版『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』(朝倉智也著)が、2月16日に刊行された。投資先進国米国で、ほぼ毎年のように2桁成長を続けている注目の金融商品ETF(上場投資信託)。現在の純資産残高は約683兆円。一方、日本のETFの市場規模は2021年4月末で約60兆円。しかし、日本でもETFを投資の選択肢に入れる人が着実に増えている。特に注目度が高まっているのが海外ETFだ。(1)低コスト、(2)機動的な取引ができる、(3)分配金を受け取りながら運用できる、(4)究極の分散投資ができる、など多くのメリットがあるETF。本連載では、長期投資やETFに興味がある人に向けて、そもそもETFとは何か、その賢い選び方・買い方、資産運用としてのETFとの付き合い方などについて、同書から一部を抜粋して公開する。
ロボ・アドバイザーはサービス内容や投資対象とする商品などによりさまざまな種類がありますが、ポートフォリオを構築するのにETFを活用したものが少なくありません。できるだけコストを抑えて資産運用サービスを提供しようとすれば、ロボ・アドバイザーの中身をETFで運用するのは非常に合理的ですから、これは当然の流れです。
フィンテックで先行するアメリカでは、個人投資家の中ですでにロボ・アドバイザーを活用している人が13.5%を占めています【図表3-9】。
まだ活用していないものの「将来活用したい」と積極的に考えている人も7.5%います。
さらに、「特定のロボアドの会社のサービスを知っている」という人は55.5%にものぼっており、ロボ・アドバイザーの認知度は非常に高いといっていいでしょう。
今後はロボ・アドバイザーによる運用残高の急増が見込まれており、2023年には162兆円にまで拡大するという予測もあります【図表3-10】。
これらの資金の運用先としてETFが活用されることで、ETF市場拡大の流れはさらに加速するでしょう。
モーニングスター株式会社 代表取締役社長。
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。