書店で一番売れているETF本の最新版『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』(朝倉智也著)が、2月16日に発売。投資先進国米国で、ほぼ毎年のように2桁成長を続けている注目の金融商品ETF(上場投資信託)。現在の純資産残高は約683兆円。一方、日本のETFの市場規模は2021年4月末で約60兆円。しかし、日本でもETFを投資の選択肢に入れる人が着実に増えている。特に注目度が高まっているのが海外ETFだ。(1)低コスト、(2)機動的な取引ができる、(3)分配金を受け取りながら運用できる、(4)究極の分散投資ができる、など多くのメリットがあるETF。本連載では、長期投資やETFに興味がある人に向けて、そもそもETFとは何か、その賢い選び方・買い方、資産運用としてのETFとの付き合い方などについて、同書から一部を抜粋して公開する。
500万円を「8年間で700万円にしたい」場合、
必要な利回りは、どれくらいか?
では分散投資をするとして、具体的にはどんな資産にどれくらい投資すればよいのでしょうか?
これを考えるには、
①いつまでに、どれくらいの資金を準備すべきかを見積もる
②これから運用に回していける資金を決める
③年に何パーセントの運用利回りであれば目標額を達成できるかを計算する
④その利回りを達成できる可能性のあるポートフォリオを組む。目標額が高すぎて実現が難しい場合は「目標額を下げる」「運用に回す資金を増やす」「よりリスクを取ってより高いリターンを目指す」といった運用プランの調整を行う
というステップを踏んでいきましょう。
「自分が目標とすべき金額はいくらか、そのためにはどれくらいの金額を運用に回し、どれくらいのリスクをとって運用する必要があるのか」を明確にすることで、「どの金融商品にどれくらい資金を振り向けるか」を決めるポートフォリオが見えてきます。
たとえば今、運用に回せる資金が500万円あるとしましょう、これを子どもの教育資金や住宅購入の頭金などにするため、「8年間運用して700万円にしたい」、あるいは「12年間運用して1000万円にしたい」というケースを考えてみます。これを達成するための利回りは、どれくらいになるでしょうか?