ロシア侵攻で日本の富裕層が「自宅を買う」メリットが増しているワケPhoto:PIXTA

高年収の富裕層の間で長年行われてきた「自宅を買うべきか、借りるべきか論争」。人口減少している日本で不動産を資産として持つ魅力はないと考え、賃貸を選ぶ富裕層は一定数います。富裕層の資産運用をサポートしてきた筆者もこれに賛同していましたが、昨今の国際情勢の変化を受け、意見を180度変えました。その理由とは。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

富裕層の「自宅持つ持たない論争」に終止符!?
今、日本で家を買うメリットとは

「人口減の日本の不動産に魅力はない。だから俺は賃貸でいいよ」――。

 年収が数千万を超える富裕層には、このような考えで自宅を保有しない人が一定数います。私もその意見には同意していました。

 しかし、今は、その意見を180度転換しました。

 理由は、欧米発のインフレとロシアのウクライナ侵攻です。すでに円安や資源高が進んでいますが、脱ロシアのサプライチェーンの再構築や金利の上昇局面では、自宅不動産は賃貸より所有のほうが良いと考えます。なぜか。まずは今、富裕層が日本で住宅を所有するメリットを挙げてみましょう。