米国ではアルミニウム製造企業が旺盛な需要に追いつこうと、使用済みの缶や廃車、産業廃棄物をこれまで以上に求めている。ノルウェーのノルスク・ハイドロやノベリス、カナダのマタルコなどは米工場での生産能力を強化している。アルミは自動車会社のほか、飲料缶などのメーカーから必要とされている。業界団体アルミニウム協会によると、米国の昨年のアルミ消費量は11%増加し、新型コロナウイルス流行の影響で減少した2020年から回復した。米国で製錬されるアルミの約6%がロシア産だが、ロシアからの供給懸念で価格が高騰しており、アルミスクラップの再利用による生産が活況だと、業界アナリストや企業幹部らは話す。ノルスク・ハイドロは昨年、ミシガン州カソポリスの新工場の建設に着手し始めた。総額1億4000万ドル(約170億円)の同プロジェクトは2023年末までには完了する見通しで、完成すれば毎年、廃棄物から新たに12万トンのアルミを生産可能だという。
アルミくず争奪戦、旺盛な需要にメーカー奔走
工場や施設拡大の動き、くず利用で生産電力9割削減
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