表面的な説明は容易だ。貿易相手国の物価が上昇しているのに、円相場がその調整を果たさなくなっているからだ。その理由をシンプルに言えば、日本がいくら割安であっても、外国企業や日本企業が日本への投資を行わないからに他ならない。
よって他国の物価が日本より大きく上昇しても、円相場が円高方向に調整せず、日本人にとって他国の物価が割高な状態が続いている。要は円の購買力が落ちたままなのだ。それが故に、円は実質的に歴史上でも大幅な円安となっているのだ。
各国との金利差拡大が
円急落につながった面は大きい
そうした中で、今年3月に入って円が急落した主要因は2点が考えられる。一つ目に、原油などのコモディティー価格の急上昇に伴い、既に構造的に悪化してきた貿易収支が、より急速に悪化している可能性があることだ。つまり、日本の輸入企業による円売りの加速が一因だったと考えられる。
二つ目の要因は、各国の長期金利の急上昇だ。オーストラリア、スウェーデンの10年金利は70ベーシスポイント(以下、bp)、ノルウェー、カナダは60bp、米国は50bpも上昇した。こうした各国との金利差の拡大が、円の急落につながった側面は大きい。
ドル円相場は、いったん節目とみられた125円に到達したこともあり、しばらくは1ドル=120~125円台の間で上下動を繰り返す可能性が高そうだ。
ただし、円安の構造的な原因は根が深く、今後再び円安方向に進んだ際、125円を上抜けて130円台を目指す可能性は高いと考えられる。



