チャートだけから判断すれば「様子見」が無難

 H社は1000円から800円まで株価が急落した時に発生した「下落モメンタム」がまだ完全には消えていません。25日移動平均線が下向きで、株価が25日移動平均線より下にあるからです。

 投資するのは、25日移動平均線が上向きになり、株価が25日移動平均線より上に出るまで待ったほうが良いと思います。

 それでは、チャートだけ見てここで「売り」と判断できるでしょうか?

 できません。株価は過去1ヵ月半、800─850円の範囲でボックス相場となっていて、25日移動平均線が下向きから横ばいに変わりつつあるからです。

「下落モメンタム」が少しずつ弱まりつつあるところです。ここからもう一度、下値をトライにいくか、このまま底値圏でのボックス相場となるか、チャートだけでは判断できません。

予想配当利回り6.25%の高配当利回り株として「買い」

 本書は「チャートで稼ぐためのトレーニング本」です。ただし現実には、私たちはチャート以外の要素も見ながら判断します。

 財務内容が良好、過去10年減配したことがない安定配当株であることを考慮すると、短期的な下値リスクが残っていても、長期投資で買っていって良いと判断します。

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)