ロシアのウクライナ戦争は先週、ギアチェンジした。複数の戦線で迅速な攻撃を実行するだけの兵力を欠くロシアは、首都キーウ(キエフ)などウクライナ北部の都市から後退を始め、当面の目標を東部の一部地域の掌握に定めた。5週間にわたって激しい戦闘を展開したあげくの方針転換は、ウクライナの抵抗がいかに激しく、有効であったかを物語っている。戦いは長期の消耗戦になりそうだが、ロシアの動きからは戦争続行の決意もうかがえる。ウクライナは反撃――ロシア領内へのヘリコプターによる攻撃も含め――を続け、ロシアは東部ドンバス地方に兵力を再配置していることからすると、両国とも自国の勝利を信じているとみられ、近い将来、和平協議で合意に達することは考えにくい。
ロシアの戦略転換 ウクライナ戦争長期化か
ロシアが首都キーウから部隊を後退させて東部ドンバス地方に集中することで、消耗戦長期化の素地が整った
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