先週、米国債2年物の利回りが10年物を上回ったことで、ウォール街のアナリストは警告ののろしを上げた。エコノミストは、古代の予言者が未来を占うように、年限ごとに異なる金利の変動を追うことで経済見通しのシグナルを見いだそうとする。短期金利が長期金利を上回る現象を、ウォール街の目利きは利回り曲線の逆転(逆イールド)と呼ぶが、これが時として景気後退の予兆となる。予言者が懸念するのはそのためだ。彼らが注視する米2年債と10年債の利回りが先週、逆転した。1日、2年物の利回りは2.44%に達し、10年物は2.38%とそれを下回った。英銀大手スタンダードチャータードの投資ストラテジスト、スティーブ・イングランダー氏は、トレーダーの金利予想が織り込まれるユーロドル先物市場に同様のシグナルが表れていると話す。同氏は2年後の金利見通しよりも3年後と4年後の方が低いことに着目した。