黒海近くに位置する当地の軍事基地はごく最近まで、単なる中継地にすぎなかった。だが、ここにきて、北大西洋条約機構(NATO)の対ロシア防衛戦略における最前線に姿を変えている。米軍は長年、アフガニスタンへの補給作戦の中継地として、この基地内の老朽化した仮設滑走路を使ってきた。今では、米国や同盟国が吹きさらしの基地に、1800人余りの兵士や数百単位の車両をはじめとする軍装備を相次ぎ配置している。ここに兵力を集結させる理由は、NATO条約で加盟30カ国のいずれが攻撃を受ければ、NATO全体への攻撃とみなすという集団防衛義務が定められているためだ。ロシアが2月にウクライナに侵攻して以降、紛争がウクライナの国境を越えて拡大しかねないとの懸念が急速に高まっている。
NATOの対ロシア最前線、ルーマニアの基地急変貌
有料会員限定
あなたにおすすめ