感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />「かまってちゃん」の特徴とは?

思い切って対処するとすぐに改善

きょうのひとことは、
「かまってちゃんは思い切ってスルーする」

かまってちゃん、と呼ばれる人がいます。自分の相手をしてもらいたいという欲求が強いため、ことあるごとに自分に気を引くような言動をくり返す人です。

かまってちゃんは、自分に関心をひこうとするアピールをくり返すため、周りの人にとっては「面倒くさい人」「疲れる人」「やっかいな人」と思われがちです。本人は無意識なのかもしれませんが、無意識なだけにやっかいだともいえます。

かまってちゃんというのは、一種の「状態」です。誰でもなり得る状態だと認識したほうがいいです。

人はいろんな言動をしては、うまくいったりうまくいかなかったり、欲求が満たされたり満たされなかったりして、自分の行動パターンを学習していきます。いろんな言動をして学習した結果、かまってちゃん的な行動パターンが身に染みついてしまっている人がいるわけです。

かまってちゃんという状態は、言動による学習の仕方によって、誰でもなり得るし、脱却もできます。

別の視点からすると、かまってちゃんは、他人からかまってもらおうとする言動に「依存してしまう人」ともいえます。ごくシンプルにいうと、「寂しがり屋」です。

人生を楽しむうえでの究極の理想は、なんでも自分ひとりで楽しめるということだとアテクシは思っています。他人に依存せず、自分で楽しむということです。

ところが、人間は自分ひとりで物事を完結できるほど強くありませんから、誰かに声をかけられたり、優しくされたり、あるいはわがままを聞いてもらうことによって、自分の居心地のよさを求めてしまうところがあります。

それが、かまってちゃんの状態をつくり出してしまう要素にもなり得るし、その要素を求めすぎてしまう人もいて、周りから「かまってちゃん」というレッテルを貼られてしまうこともあるわけです。

かまってちゃんの状態に味をしめた人は、ますますかまってちゃんの言動をエスカレートさせていく可能性が高まります。そして、周りの人が振り回されてしまう可能性も高まります。

まずは自分がかまってちゃんの状態にはならないような自覚を持ったうえで、誰かがかまってちゃんの状態に入ったら、その言動をエスカレートさせないようにすることが大切です。

かまってちゃんという状態を生み出す最大の問題点は、かまってちゃんの状態に味をしめること。ならば、本人のためにも、自分が振り回されないためにも、かまってちゃんの言動を助長するような「反応」をしないことです。

かまってちゃんの言動に反応しないということは、かまってちゃんの言動をスルーする、もっというと無視するということですから、最初は抵抗感が生じると思います。

しかし、それが相手のためでもあるのです。かまってちゃんの言動が通じないと学習してもらうことによって、意外とあっさり改善することもあります。

もし、会社の同じ部署や学校のグループ内にかまってちゃんがいたら、周りの人が一枚岩になって反応しないことによって、かまってちゃんの状態が一気に解除されやすくなるでしょう。

かまってちゃんというのは、一種の依存症のようなもので、本当に辛くて周りが見えなくなったりすると、どんどんかまって欲しい状態がエスカレートしやすいものだという認識を心の奥底に抱いていたほうがいいです。誰しもかまってちゃんの状態になり得るのです。

周りにかまってちゃんがいるのであれば、「その依存傾向がエスカレートしないように行動してあげなければいけない」くらいの気持ちでいたほうが、いいと思うのです。

憎むべきは、かまってちゃんという人なのではなく、かまってちゃんの「状態」なのです。

きょうのひとことは、
「かまってちゃんは思い切ってスルーする」
でした。

参考になったかしら?