10日に大統領選第1回投票が行われるフランスでは、極右指導者マリーヌ・ルペン氏がエネルギーや食料価格の値上がりに対する国民の不満をうまく吸い上げ、ここにきて支持率で現職のエマニュエル・マクロン氏を猛烈に追い上げている。ウクライナでの戦争が欧州の経済や政治に大きな影響をもたらしていることが鮮明になってきた。マクロン氏は国民の不満を沈静化するため、電気・天然ガス価格に上限を設定。燃料費への還付を導入したほか、低所得層には生活必需品の購入を支援する補助金を支給した。しかし第1回投票を控え、この280億ドル(約3兆4800億円)相当の措置が極右ルペン氏、極左の扇動的候補ジャンリュック・メランション氏のいずれについても、支持率上昇を食い止めることはできなかった。マクロン政権は物価高の痛みを和らげる十分な対策を提供していないというのが、対抗馬2人のメッセージだ。
仏大統領選、想定外の接戦 インフレで不満拡大
極右候補マリーヌ・ルペン氏が国民の不満を吸い上げ猛追
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