インフレが加速している中での利上げは、米連邦準備制度理事会(FRB)にとっても正当化しやすい。だが、インフレ鈍化局面での利上げとなれば一段と難しくなるだろう。米労働省が12日公表した3月の消費者物価指数(CPI)は、季節調整済みで前月比1.2%上昇した。前年同月比では8.5%上昇となり、1981年12月以来の高い伸びとなった。インフレ基調のすう勢をより正確に示すとされる食品・エネルギー価格を除くコア指数は、前年同月比6.5%上昇と、1982年8月以来の大幅上昇を記録した。急激なインフレ加速――昨年3月のコア指数は前年比でわずか1.6%の上昇――は、FRB当局者が年内に積極的な利上げを進めると同時に、バランスシートの縮小に近く着手する理由に他ならない。
米インフレにピークの兆し、FRBの変心は望み薄
「インフレ高進と利上げ」より悪いのは「インフレ鈍化と利上げ」だけかも
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