
生成AIという“ライバル”出現を現役士業たちはどう感じているのか?また士業の行く末をどうみているのか?特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#20では、士業コンサルタント、横須賀輝尚氏の協力を得て、行政書士や司法書士、税理士、社労士など現役士業31人に、士業の未来予測と対策を聞いたアンケートを大公開する。さらに、生成AI時代における「お勧めの資格」「お勧めできない資格」の各3選を横須賀氏が伝授する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
進化する生成AIが脅威に
士業を取り巻く環境が激変
本特集の#13(『弁護士、行政書士、会計士、税理士…生成AI時代に生き残りたい士業と士業志望者は必見!ライバルに差をつける「生成AIツール16選」徹底解説』)では、士業の業務を効率化するための生成AIの徹底活用法を伝授した。
だが、その一方で、生成AIに淘汰される職業として真っ先に挙げられるのが士業だ。士業の仕事の柱の一つが「手続き業務」。顧客に代わって書類を作成して提出する、という士業の定型業務は今後、加速度的に生成AIに取って代わられる可能性が高い。
また、士業のもう一つの稼ぎ頭である「相談業務」の方も生成AIがお株を奪いつつある。実際、「生成AI元年」とされる2023年以降、そんな士業の仕事を“代行”する生成AIサービスが続々と生まれているのが実情だ。
「生成AIに最も奪われるホワイトカラーの業務は、コンサルタントに代表される『成果物がない業務』だが、『情報のコモディティ化(平準化)』と『物価高騰による支出抑制』のダブルパンチによって、士業でも優勝劣敗が出始めている」と、士業専門の経営コンサルタントである横須賀輝尚・パワーコンテンツジャパン代表取締役は指摘する。その上で、横須賀氏は、現在の士業を取り巻く急速な環境変化と、その具体的なリスクとして、次の三つを挙げる。
(1)手続き業務の自動化
「行政書士」「社会保険労務士(社労士)」「税理士」をはじめとした伝統的な「手続き業務」は、AIや自動化で急速に変化。「資格」の力だけに頼ると危険性が高まる。
(2)情報提供型サービスの価値低下
インターネットやAIで誰でも情報が得られる時代に、単純な情報提供だけでは価値を見いだせなくなっている。物価高を背景とするコストカットも相まって、「顧問業」というストックビジネスがなくなる恐れが強い。
(3)都市部から地方へ広がる変化
都市部だけでなく地方にも、(1)~(2)の変化が波及しつつある。地方での危機感の薄さがリスクを高める可能性がある。
生成AIによって士業を取り巻く環境が激変する中、士業が未来も生き残るにはどうすればよいのだろうか?
そこで次ページでは、横須賀氏が、「行政書士」や「司法書士」「税理士」「社労士」など現役仕業31人へ実施した「士業の未来予測」のアンケート結果を大公開。現役仕業が現在直面している脅威と対策を明らかにする。
さらに、横須賀氏が分析する、生成AI時代の「お勧め資格」と「危ない資格」をそれぞれ三つ開陳する。現役仕業も、これから資格取得を目指す人も必見だ。