2022年のメジャーリーグ開幕戦で、史上初の「1番・投手」で先発出場を果たしたエンゼルスの大谷翔平(27)。開幕直後こそ、快音が聞かれなかったが、16日のレンジャース戦では一試合で2発の本塁打を放つなど、今年も活躍が期待される。実は、現地・アメリカでは日本ではあまり知られてない、大谷をめぐるさまざまな“ドラマ”がある。大谷翔平の番記者を務めた経験もある在米ジャーナリストの志村朋哉氏の新著『ルポ 大谷翔平 日本メディアが知らない「リアル二刀流」の真実』(朝日新書)から一部を抜粋・編集して掲載する。
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大谷が記念すべきメジャー初本塁打を放ったのは、2018年4月3日、本拠地での初打席だった。打者・大谷の「ホームランショー」の幕開けだったとも言える。
そのホームランボールを最初に手にしたのが、外野席最前列で観戦していたクリス・インコーバイアさん。彼はその歴史的なボールを拾い、ちゅうちょなく隣に立っていたエンゼルスファンの男の子に譲った。3年ぶりに記念球に関わった二人に連絡をとり、ホームランの瞬間や大谷との面会を改めて振り返ってもらった。