2013年はアベノミクスとやらで円安、株高で始まった。もうあちこちで景気が良くなる、よくなるの大合唱だ。

 ひと際、声が大きいのは証券会社なのは仕方が無いが、日銀も経済界も自民党圧勝の前には、何も言えず、逆らいもせず、恭順の意を示し、一緒になって景気回復を煽りたてている。マスコミも同じだ。ついこの間まで、国会前の原発デモを特集していたのに、もうそんなことを記事にしたら国賊になってしまうとばかりに、すっかり原発推進派になってしまった。

 この国は、いつも同じだ。まとまりがいいと言えばいいのだが、長い不景気に我慢が出来なくなって、もうどうでもいいとばかりに同じ方向を向いてしまう。これが興国の道ならハッピーだけど、亡国の道ならみんなで崖に落ちるしかない。

 自民党・安倍政権も今がピークの国民との蜜月にならないように我慢強く、慎重に国政を担ってもらいたい。

景気が良くなるほど悩みは深く

 ではこんなに喜んでいる経営者が多い中で、サラリーマンはどうなるのか。景気がよくなり懐が増えればいいが、それは期待できない。定昇もベアも昔の話だし、今やほとんどの企業が実績給だ。経営者は給料をあげるより、仕事があるだけ喜べというスタンスだ。本当の景気回復は、内需が拡大しなければならないのだが、インフレ期待は資産インフレのみで、株や土地を持っている人だけが潤う社会がまた来るに過ぎない可能性は高い。

 サラリーマンは給料も上がらず、日常の物価が資産インフレに連れて上がり、ワンコインランチはなくなり、今まで飲んでいた食後のコーヒーも諦めなくてはならなくなるだろう。サラリーマンの悩みは、人間関係、出世、自分の評価だというが、今年は、景気が良くなればなるほど悩みは深くなるだろう。