世界最大級のデジタル関連の展示会International CESが、米国ラスベガスで1月8日から始まった。

 昨年も本連載で取り上げたが、最近ではスマートフォン・シフトが進む中、毎年2月頃に欧州で開催される「モバイル・ワールド・コングレス」と双璧をなすように、スマートフォンの開発拠点であるシリコンバレーを擁する米国のCESも、新製品の発表のターゲットとなっている。

 一方、CES(コンシューマ家電ショー)という名の通り、白物、黒物の両分野における家電製品の展示会としても、相変わらず健在だ。現在も、世界中のメーカーが、テレビやカメラ、またそれらの関連商品を発表する機会となっている。

 しかし、特に日本に暮らす消費者としては、今年のCESの注目点はずばり、「日本メーカーは大丈夫なのか」ということに尽きるだろう。昨年度末から顕在化してきた業績不振は、現在も回復の兆しが見えないまま、深刻化の一途を辿っている。

 すでにWebメディアをはじめ、新製品の報道はあちこちで行われている。そこで本連載は昨年と同様、少し視点を変えて、CESの会場から見える2013年の風景を、素描してみたい。

4Kテレビは確かに賑わっている

日本のテレビメーカーが意外や過去数年で一番元気!?<br />米国の好景気を背景に4Kテレビが賑わいを見せる<br />――ラスベガスCES会場から占う2013年【前編】ソニーによる4Kテレビのデモンストレーション。4Kの解像度は横4000×縦2000画素前後 Photo by Tatsuya Kurosaka

 先行する報道では、すでにテレビメーカー各社が、今年のCESに4Kテレビを投入しているのが報じられている。多くは試作品という扱いだが、早い段階での市販化は各社とも視野に入っており、CESでの評判を見極めて、市場への投入のタイミングを計る、という状況だろう。

 一方、こうした報道に対し、ネットの一部からは「4Kテレビの需要も定かでないのに、ホントに盛り上がっているの?」という批判的な見方も見られる。確かにここ最近、テレビ受像器に関しては、総じてコモディティ化が叫ばれてきた。どんな安物でも一定程度の品質を提供している以上、もはや受像器で付加価値は目指せない、といった論調だ。