投資ファンドの目利きは間違っていたのだろうか。3月28日、中堅の後発医薬品企業、共和薬品工業(大阪府)が、大阪府と工場を置く兵庫県、鳥取県から行政処分を受けた。医薬品の製造上の違反が見つかったためで、医薬品医療機器法に基づき最大33日間の業務停止となった。この共和薬品を2019年に買収したのが、投資ファンドのユニゾン・キャピタル(東京都)である。
ユニゾンは19年に共和薬品の親会社だったインドの後発品企業ルピンから約574億円で買収。医薬品にとどまらない「総合ヘルスケアカンパニー」として事業の多角化を進めてきた。ところが、21年頃から共和薬品で医薬品の自主回収が多発。多角化戦略どころか足元の後発品事業が怪しくなり、ついには行政処分を受ける事態となった。成長が期待できると見込んで投資されたはずだが、一転して不祥事企業のレッテルを貼られた共和薬品。再建はユニゾンに委ねられている。