次期業界団体トップ就任に黄色信号?「田辺三菱製薬」の度重なる不正販促疑惑Photo:Diamond

 不正な販促を繰り返してきた田辺三菱製薬に対し、厚生労働省の「最終ジャッジ」が下ろうとしている。話の発端は、日本製薬工業協会の「プロモーションコード」への「重大な違反」が発覚したためだ。こともあろうに同社は、製薬協“次期会長”を意味する統括副会長会社の立場だが、初歩的な自主基準すら守れないという失態を演じてしまった。

 内容の詳細は後述するとして、腎性貧血薬「バフセオ」と2型糖尿病薬「カナグル」について、悪質なルール違反の宣伝を繰り返していた。厚労省の「販売情報提供活動ガイドライン」が2019年4月に施行した後とは思えない所業である。

 事態を重く見た製薬協は21年1月、重大なコード違反を認定。4段階ある措置規程のうち最も重い「措置レベルⅣ」を発動し、「改善計画」を提出させた。田辺三菱は遂行状況を報告しなければならない屈辱の1年間を過ごすこととなった。

 改善計画期間を終えようとしていた21年11月、事態は深刻化。田辺三菱は、「行政処分」を判断する厚労省との協議を踏まえ、過去の不正販促を再調査すると決断せざるを得ない状況に追い込まれた。そして現在も、社外弁護士による「特別調査」が進められている。余談だがその折も折、「不正会計」も噴出。管理体制不備による醜態が次々と露呈し、業界関係者を呆れさせている。