インフレ率は天井をつけたかもしれないが、制御された状態にあると言うのとは異なる。米労働省が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は季節調整済みの前月比で0.3%、前年同月比で8.3%それぞれ上昇した。3月の前年比の伸びは8.5%だった。基調インフレのすう勢をより正確に示すとされるコアCPI(変動の大きい食品・エネルギー価格除く)は前月比0.6%、前年比6.2%それぞれ上昇した。3月は前年比6.5%上昇だった。インフレ率は前年比ベースではやや鈍化しているものの、コアCPIの前月比伸び率はエコノミスト予想を上回った。とはいえ、単月のインフレ率は良かれあしかれ、投資家の一般的な傾向よりも割り引いて考えるべきことが多い。4月のコアCPIで主な押し上げ要因となった航空チケットや新車といった項目は月ごとの振れが大きい。何より、サプライチェーン(供給網)の制約に見舞われていた項目の多くでは、インフレ圧力は明らかに薄れている。モノのコアCPIは4月、前年比で9.7%上昇した。なお高水準だが、2月の12.4%上昇からは鈍化している。
インフレに鈍化の兆し、退治できるかは別
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