投資家はインフレや地政学的リスク、株式市場の乱高下に警戒感を強め、ポートフォリオの分散と保護を目的に商品上場投資信託(ETF)に殺到している。モーニングスター・ダイレクトによると、2022年は商品ETFへの資金流入額が4月末までで214億ドル(約2兆7900億円)に達している。63億ドルの純流出だった前年同期とは対照的だ。商品ETFは現在122本と、昨年の112本から増加している。独立系の市場調査・分析会社CFRAによると、予想通り、最も好調なのは金などの貴金属ETFで、商品分野への純流入額の57.5%を占めている。米国のインフレ率が40年来の高水準で推移する中、貴金属ETFはインフレからの逃避先と見なされている。最も人気があるのは「SPDRゴールドシェアETF(GLD)」だ。流入額は74億ドルで、純資産総額は約670億ドルに押し上げられている。同ファンドの4月29日までの年初来リターンは4.8%、1年間のリターンは約8%となっている。CFRAのリポートによると、2番目に人気が高いのは分散型商品ETFで、商品全体の純流入額の33.7%を占めている。3番目は7.5%を占める農業、4番目は1.2%を占める産業用金属となっている。
商品ETFに資金殺到、インフレ・ウクライナ戦争で
変動が激しい点には要注意
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