テキサス州ヒューストンのウィリアム・P・ホビー空港。今月6日の早朝、駐機場に一機のチャーター機が大事な貨物を載せて到着した。積み荷はすぐに降ろされ、最終目的地に運ばれた。ぐずぐずしている時間はない。貨物の中にはガウン、タッセル、フード(学位章)など卒業式の式服を収めた箱が10数個入っていた。ライス大学の式典が数時間後に迫っていた。バーシティ・ブランズの子会社でキャップやガウンを製造するハーフ・ジョーンズは卒業式を控えた全米の学生に製品を届けようと急いでいるが、ここ数週間で数回、冒頭のようなシーンが繰り広げられた。学生は式典の数週間前に注文を出したが、まだ到着を待っている人は多い。製造ミスも起きている。サンフランシスコ州立大学の学生が受け取ったタッセルには2020年と書かれた飾りがついていた。ヒューストン大学から会計学の修士号を授与されたオースティン・ウィギンズさんのところにハーフ・ジョーンズから届いたガウンには、大学のロゴが逆さまに縫い付けられていた。