5月21日、岸田文雄首相は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で打撃を受けた旅行産業を支援するために、6月にも観光促進のための政策を始めることを表明した。

 5月23日現在、国内のCOVID-19の新規感染者数は3万1341人で、いまだ高止まりしているものの、ゴールデンウイーク前と比較して急増しているわけではない。また、コロナ病床にも余裕があることなどを理由に、国はコロナとの共生を図る出口戦略の一環として、観光促進にかじを切りだしたようだ。

 国の観光産業支援で期待されるのが、一時停止中の「GoToトラベル」の再開だ。GoToトラベルは、COVID-19の影響で落ち込んだ旅行需要を喚起するために、個人旅行の宿泊代、交通費などの一部を補助する国の支援策だ。2020年7月に導入されたが、その後の感染拡大を受けて停止されたままになっている。

 再開されれば、補助金を使って割安に国内旅行ができるようになるため、全国的に旅行者が増える可能性が高い。再開後のキャンペーンの内容は、旅行代金の割引率が30%で、1泊あたりの支援額は最大1万円(交通付きの場合。宿泊のみは最大7000円。日帰りは最大3000円)。この他に、その地域で使えるクーポン券が支給される。

 6月以降、GoToトラベルを使って旅行を楽しもうと思っている人は、万一の病気やケガに備えて、旅先には健康保険証も忘れずに持っていくようにしよう。

 ただし、やむを得ない事情があって、健康保険証を持たずに全額自費で受診した場合の救済措置も設けられている。それが「療養費」と呼ばれるものだ。