中国の電子商取引大手アリババグループの2021年は散々だった。残念だが、おそらく今年も改善は見込めないだろう。事態を懸念する中国政府は、国内のハイテク大手に対する規制の手を緩める意向を示し始めている。だがそれは中国経済全体と、特に消費者経済の見通しがかなり暗くなっているからでしかない。中国政府の消費者向けハイテク企業に対する締め付けは、過去最大の28億ドル(約3558億円)の罰金という形で昨年のアリババの業績を悪化させたが、今年は中国経済への逆風が強まることが最大の懸念となるだろう。アリババが26日に発表した1-3月期決算では、売上高が前年同期比9%増となったが、伸び率は2014年のニューヨーク市場上場後で最も鈍化した。調整後の純利益は前年同期比24%減。いずれもS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのアナリスト予想をわずかに上回った。