日本の地銀に変化、ついに投資家に報いる可能性Photo:SOPA Images/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 日本の小規模な銀行が投資家に愛されることはこれまでほとんどなかった。だが、バランスシートの改善に向けた緩やかな動きは、状況を一変させる可能性を秘めている。

 日本の地銀は投資妙味が薄いように思える。リターンは低迷し、成長というものは存在しない。規模が小さいが故に、日本のメガバンクと互角に戦うことも難しい。これに加え、日本の低金利と高齢化という問題が積み重なる。ファクトセットによると、日本の地銀の株価は2015年以降、およそ半減した。

 意外だが、すべてが変わるかもしれない。さえない存在だったこれら地銀がついに株式持ち合いの解消を迫られることで、世界的に「現金が王様」の時代において株主への還元を増やすとみられており、投資家を引き寄せる可能性がある。株式持ち合いは取引関係を維持するために互いに会社の株式を保有し合うという、日本特有の企業文化だ。