東京証券取引所Photo:JIJI

東証、新市場区分でスタート
投資家置き去りのプライム市場

 日本企業の株式価値を高め世界から投資マネーを集める狙いで、4月4日に東京証券取引所の新市場区分がスタートした。

 従来の4市場(1部、2部、ジャスダック、マザーズ)を、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに再編したものだ。

 2013年に東証と大阪証券取引所が株式市場を統合したなどの経緯もあって、「各市場区分のコンセプトが曖昧で、投資家の利便性が低い」などの課題がいわれていた。

 だが最上位市場として海外の機関投資家などの投資マネーを集めることが期待されるプライム市場は、銘柄数が多すぎるという以前からの1部市場の問題をそのまま引き継いだ形だ。

 市場再編が「看板の付け替えにすぎない」ということにならないようにするには、PBR(株価純資産倍率)やROE(自己資本利益率)で絞り込んだ、より上位の少数市場を創設することも検討が必要だ。