住宅イメージPhoto:123RF

コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、大和ハウス工業や積水ハウスなど「住宅メーカー」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

住宅メーカー3社はいずれも増収で
コロナショックから復活

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は2021年11月~22年3月の直近四半期(積水ハウスは21年11月~22年1月期、大和ハウス工業、積水化学工業は22年1~3月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大和ハウス工業
 増収率:15.1%(四半期の売上高1兆2924億円)
・積水ハウス
 増収率:9.8%(四半期の売上高7448億円)
・積水化学工業
 増収率:6.4%(四半期の売上高3193億円)

※大和ハウス工業、積水化学工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 いずれも、前年同期比で増収となった住宅メーカー3社。通期決算もそろって増収で、新型コロナウイルス感染拡大による打撃を受けた前年度決算(積水ハウスのみ通期で増収、残る2社は減収)から一転、コロナ前を上回る水準まで「完全復活」を果たした。

 それだけでなく、売上高の「過去最高ラッシュ」までも記録することになった。

 各社の好調の要因は何だったのか。次ページ以降でデータを交えて、詳しく解説する。