ウクライナ侵攻を受けて一枚岩となっていた西側諸国のロシア包囲網に亀裂が入り始めた。ウクライナへの重火器の提供を続けるべきか、欧州諸国の一部で疑問視する声が出ている。武器を送り続ければ戦争が長引き、経済的な痛みが広がりかねないとの懸念が背景にある。  最も大きな違いが見られるのが、ロシアの長期的な脅威をどうとらえるかや、ウクライナが実際に戦争に勝利できるかを巡る解釈だ。  ウクライナが南・東部の領土をロシア軍から奪還するために必要だとみられている攻撃力が高く、射程の長い兵器の供与について、フランスやドイツなどは慎重な姿勢を強めている。