ウクライナの国内情報機関であるウクライナ保安庁(SBU)の隊員6人が午前6時半、ロシア国境近くのこの町の住宅街にある殺風景なアパートの階段を駆け上がった。そのうちの一人がシールドに身を隠しながら、イゴール・ポポフ容疑者(59)の自宅のドアを強くたたいた。「開けろ、SBUだ!」。防護服に身を包み、目出し帽で顔を覆った指揮官が怒鳴った。「今すぐ開けろ、SBUの捜査だ」。彼はののしり言葉を2、3付け加えながらこう言った。ドアの鍵が回ると、隊員が中に押し入った。「床に伏せろ! 今すぐにだ!」。隊員がポポフ容疑者に向かって叫んだ。「異常なし」。別の隊員が武器の有無を確認した後、こう叫んだ。他の隊員は容疑者の両手を縛り、尋問をするため居間に移動させた。
ウクライナに残る親ロ派、保安機関の標的に
東部には依然ロシアに親近感を抱き、プロパガンダなどを支援する人たちがいる
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