ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
北マケドニアってどんな国?
北マケドニアは、バルカン半島のほぼ中央に位置する国です。
コソボ、セルビア、ブルガリア、ギリシャ、アルバニアの5ヵ国に囲まれる内陸国で、国土の大部分は高地です。
アルバニアとの国境沿いに、世界遺産にも登録された古代湖の一つであるオフリド湖とプレスパ湖が連なります。
旧ユーゴスラビア連邦を構成した6共和国の一つで、1991年に連邦から分離独立をしました。
北マケドニアの由来
国土はアレクサンドロス大王で有名な古代マケドニア王国の一部を占めますが、スラブ民族である現在のマケドニア人と、ギリシャ系である古代マケドニア人との間に直接のつながりはありません。
マケドニアの国名が古代ギリシャのマケドニア王国に由来するため、ギリシャがマケドニアの国名使用に反対してきた経緯があります。両国は2019年、マケドニアが「北マケドニア」に国名を変更することで合意しました。
主な産業としては、農業が主体で、小麦、とうもろこし、ぶどう、葉たばこなどが栽培されています。工業は、オリーブ油、ワイン、ビールなどの生産が盛んです。
マザー・テレサが生まれた地
旧ユーゴスラビアでは最も経済発展が遅れた地域です。貧しい人たちを救うために生涯活動し、ノーベル平和賞にも輝いたマザー・テレサは、現在の北マケドニア共和国の首都スコピエの出身です。
スコピエには記念館があり、マザー・テレサの記念碑などを見ることができます。
北マケドニア共和国
面積:2.6万㎢ 首都:スコピエ
人口:212.8万 通貨:マケドニア= デナル
言語:マケドニア語(公用語)、アルバニア語、トルコ語
宗教:マケドニア正教64.8%、イスラーム33.3%
隣接:コソボ、セルビア、ブルガリア、ギリシャ、アルバニア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)