妊娠したブタの飼育方法の改善を求めて米スーパーマーケット大手クローガーに委任状争奪戦を仕掛けたアクティビスト(物言う株主)のカール・アイカーン氏が、争奪戦から撤退する見通しとなった。5月に米ファストフード大手マクドナルドに対する委任状争奪戦で敗北し、今回も同じ結果になる可能性が高いとの結論に達したという。アイカーン氏はクローガーとマクドナルドの株主に送付予定の書簡で、「この委任状争奪戦におけるマクドナルド側の勝利に祝意を表する。熟慮した結果、同社の財務状況から考えてクローガーでも同じ結果になるのは確実だと思われる」と述べた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの書簡の内容を確認した。同氏は、今回の試みは通常の委任状争奪戦と違い、両社の財務状況が強固なため、株主から十分な支持を得られる可能性は低いと述べた。それでも、動物の飼育方法や従業員の福祉について両社の取締役会が経営陣に説明責任を果たさせているとは思わないとした。