太平洋での影響力を巡る最近の米中間の争いは、中国の失敗で幕を閉じた。中国は、太平洋島しょ諸国と安保・貿易関係を強化する地域協定の締結に至ることができなかったからだ。だが、ここ島国フィジーの高官は、同地域における陰の実力者としての米国の立場について、もし努力を怠れば衰えかねないと警鐘を鳴らす。同国では近年、チャイナマネーが道路や高層ビルの建設を後押ししている。「彼ら(米国)はフィジーでもっと多くのことができる。フィジーにマクドナルドができるといったことだけではなく」。フィジーの司法長官、アイヤズ・サイエド・カイユム氏はこう話す。主要な海上交通路や漁場があり、戦略的に重要な場所にある太平洋は米中間の覇権争いの激戦地となっている。人口100万人弱のフィジーほど外交が激化している場所は他にない。首都スバは太平洋のニューヨークと呼ばれている。
太平洋巡る中国との覇権争い、米国ようやく本腰
米国が努力を怠ればその地位が衰えかねないと警鐘を鳴らすフィジー
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