「不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」という小説家レフ・トルストイの観察は、世界中の国々が経験している過去何十年かで最も高いインフレに当てはまる。一般的なインフレ率は米国と欧州でともに8%前後と、ますます似通った水準になっている。だが、その原因、結果、対処方法は依然として大きく異なる。特に米国では、基調的なインフレ率が高く、より持続性がある可能性があり、積極的な金融引き締めによって適切に対処されている。対照的に、欧州のインフレは輸入に起因する部分がより大きく、米国のインフレより大きな痛みを伴うが、一時的なものである可能性がより大きい。そのため欧州中央銀行(ECB)は幾分抑制的な対応を取るべきだ。