米ドルの快走に歯止めがかかった。投資家は必ずしもドル高基調の再開を想定すべきではない。ドルは当然ながら、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めによる恩恵を受けている。金利の上昇により、投資マネーが米債券などのドル資産に向かいやすくなるためだ。株式市場の低迷やロシアによるウクライナ侵攻も、安全資産とされるドルの妙味を高めてきた。その結果、投資家が注目するインターコンチネンタル取引所(ICE)ドル指数は年初来7.1%上昇。主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数も6.6%値上がりしている。過去1年ではICEドル指数は14.2%の上昇だ。