スウェーデンは長い間、イスラム革命から逃れてきたイラン人や独裁政権から逃げてきたチリ人など、難民や反体制派にとって安全な避難先となってきた。国際舞台で同国が調停役としての名声を得ている理由でもある。だが現在、そうした門戸開放政策が、ロシアのウクライナ侵攻を受けたスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を複雑なものにしている。トルコは、トルコとシリアの国境にまたがる場所に国を築きたいと考えるクルド人組織とスウェーデンが接触していることを理由に、NATO加盟に反対している。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、クルド人武装勢力を含むテロリストをかくまっているとしてスウェーデンとフィンランドを非難している。ここストックホルムのクルド人団体は、スウェーデンがフィンランドと共にNATO加盟を申請することで自国の安全保障強化に動く中、主要な避難先を失いかねないと不安を募らせている。加盟するにはトルコを含むNATOの全30加盟国の承認が必要だ。