カメラを搭載したドローンと超高解像度の映像で試合中のスポーツ選手の関節の動きや跳ぶ高さ、走る速さを追跡し、人工知能(AI)を使って選手のけがのリスクをリアルタイムに正確に特定する。そんなスタジアムを想像してみよう。コーチやエリート選手は、AIと映像を組み合わせることで、けがを予測し、けがのリスクを減らすために高度にカスタマイズした練習方法を提案してくれる新しい技術に期待している。将来的には空港の顔認証システムのようなコンピュータービジョン技術がそうした分析をさらに向上させ、現在アスリートが幅広く利用しているウエアラブルセンサーが不要になる。スポーツ分析の専門家はそう予想する。このデータ革命により、将来的には身体の酷使によるけがを大幅に減らせるかもしれない。米シリコンバレーとアイルランドの首都ダブリンを拠点に複数のプロスポーツリーグに協力するデータ会社、キットマン・ラブズの創業者で最高経営責任者(CEO)のスティーブン・スミス氏はこう話す。「自分の体を一企業のように扱うアスリートがいる。彼らはデータや情報を利用して自身のマネジメントを改善し始めた。今後はこれまでよりずっと長く、それも最高レベルでプレーするアスリートが増えるだろう」