ユーロ圏のインフレ率は8.1%で推移しており、減速の兆しはないが、欧州中央銀行(ECB)の頑固さには感服する。今週のECB理事会をめぐるタカ派的な議論を通じて、クリスティーヌ・ラガルドECB総裁の姿勢は依然として、無謀で断固とした忍耐強さを保っている。今週の理事会が開かれた時点で、ECBの政策金利はマイナス0.5%だ。インフレ率が過去最高に達したことが先週発表され、米英で引き締めサイクルが進行する中でも、ECBの金利はそう、依然としてマイナス0.5%にとどまっている。ラガルド氏は7月の次回会合で政策金利を0.25ポイント引き上げると述べた。政策金利が名目ベースでゼロもしくは辛うじてプラスになるには、ユーロ圏は少なくとも9月まで待つことになろう。それでも実質金利は大幅なマイナスにとどまる。