米国で暗号資産(仮想通貨)関連企業が採用の抑制に転じている。相場低迷が続いており、対応を余儀なくされているためだ。仮想通貨取引所で米最大手のコインベース・グローバルは採用が決まっていた候補者の内定を取り消すとともに、採用ペースを落とす方針を明らかにした。同じく取引所のジェミニ・トラストは人員の10%削減を発表し、相場下落を要因として挙げた。人材派遣会社マンパワーグループのデータによると、昨年11月から今年4月にかけて仮想通貨関連企業の間で採用は倍増したものの、5月はペースが鈍化した。雇用主としての業界上位3社は先月時点でブロック(旧スクエア)、コインベース、ジェミニだったという。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切ったことで、投機的資産に対する売りが膨らんだ。ビットコインは昨年11月から55%下落し、仮想通貨市場全体で下落率は59%に達した。