米労働省が10日発表した消費者物価指数(CPI)は恐ろしい内容にみえる。モノを買うとなると、米消費者の懐にかかる負担はかなり和らぎそうだが、連邦準備制度理事会(FRB)に今秋までに利上げペースを緩めるよう説得するには不十分だろう。5月のCPIは前月に比べて1%上昇した。前年同月比でのCPI上昇率は8.6%と、約40年ぶりの高い伸びを記録した。CPIを大きく押し上げたのはガソリン価格で、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアのCPIは、前月比0.6%の一層小幅な伸びとなった。前年同月比では、コアCPIの上昇率は6%で2~4月より若干鈍化したが、それでも心地が悪くなるほどの高水準だ。FRB当局者は来週および7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利の誘導目標を0.5ポイント引き上げる可能性が高いことを既にほのめかしている。足元の問題は、FRB当局者がその後、利上げ幅を狭めて0.25ポイントとすることに納得できるかどうかだ。それはインフレ動向に大きく左右される。
米インフレ、近く減速か 利上げ緩和には不十分
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