映画「シン・ウルトラマン」もNHKのドキュメンタリー番組も、iPhoneで撮影するのが常識という時代が来た。伝統的な撮影スキルの中に先進的な手法を取り入れていく撮影現場の姿勢は、技術革新との適切な向き合い方を私たちに示唆している。(イトモス研究所所長 小倉健一)
「シン・ウルトラマン」の撮影では
iPhoneも使うと全員が腹をくくった
最近公開された特撮映画「シン・ウルトラマン」(企画・脚本:庵野秀明、監督:樋口真嗣氏)では、iPhoneでの撮影が主流だったようだ。映画がクランクインしたときに4Kで撮れるiPhoneが発売されたのがきっかけだったといい、iPhoneで撮った広角アングルのカットが多用されている。
そんな撮影について、雑誌「PEN」(2022年6月号)の取材に、樋口監督はこう話している。
「『シン・ゴジラ』の時は騙し騙しやっていたのですが、今回は最初からiPhoneも使っていきますよ、と宣言し、全員が腹をくくってくれた。だからこそこれまでにない画が撮れたのだと思います」
また、同映画でウルトラマンを演じた主演の斎藤工氏は、撮影現場についてこう明かしている。