英国保健安全保障庁(UKHSA)は22日、ロンドンの下水道からポリオウイルスが検出されたと発表した。英国では40年近くにわたりポリオの感染例が確認されていないため、医療機関が警戒を強めている。UKHSAは、ロンドン東部の下水道処理施設で2~5月に採取されたサンプルから複数の近縁なポリオウイルスが検出されたとして、警戒を呼び掛けた。検出状況からみて、ポリオウイルスの一種の市中感染が起きているとみられるという。欧米でポリオウイルスが検出されるのは異例。ポリオウイルスは子どもが感染するケースが多く、重症の場合はごくまれにまひが生じることがある。世界の保健機関はポリオ根絶に近づいているとしているが、すでに根絶に成功したと思われていた国でウイルスが再び発見され、足をすくわれた格好となっている。