モータースポーツ「フォーミュラ1(F1)」は、音が静かな電気自動車(EV)時代にあって高級車メーカーが必要とする騒々しいマーケティングツールなのかもしれない。最近のF1への関心の高まりは、長年のファンさえ驚かせている。米国では、動画配信大手ネットフリックスのドキュメンタリー「FORMULA 1 栄光のグランプリ」が、若くて多様な視聴者を引きつけていることも関係している。中国では、アルファロメオのドライバーで自国出身の周冠宇(23)の活躍も一役買っている。ジョン・マローン氏率いる米リバティ・メディアは2017年、F1を英国の富豪バーニー・エクレストン氏から44億ドル(現在の為替レートで約6000億円)で買収した。エクレストン氏は、40年にわたりF1グランプリの運営・放送・スポンサーシップに関する一連の権利を築き上げた。3つあるリバティ・メディアの「子会社連動株式」の一つ、リバティ・フォーミュラ・ワンの時価総額は126億ドルに膨れ上がっている。ネットフリックスの番組が意外にも人気を得たという運が多少はあったものの、F1の魅力を広めるため努力もしてきた。先月に初開催されたF1マイアミGPは大いに話題を集めた。
高級車メーカー、生き残り賭けF1を駆る
有料会員限定
あなたにおすすめ