コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はサイバーエージェント、電通グループ、博報堂DYホールディングスの「広告」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
博報堂DYホールディングスが
前年同期比で3割弱増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の広告業界3社。対象期間は22年1~3月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・サイバーエージェント
増収率:16.9%(四半期の売上高1911億円)
・電通グループ
増収率:15.6%(四半期の収益2876億円)
・博報堂DYホールディングス
増収率:28.8%(四半期の収益3125億円)
※電通グループと博報堂DYホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、両社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率に同変更を遡及適応している。
広告業界の主要3社はいずれも前年同期比で増収だった。特に博報堂DYホールディングスは前年同期比で3割弱の増収となった。この要因は何だったのか。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、博報堂DYホールディングスの増収要因について詳しく解説する。