コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
ソニーの四半期増収率が1%台に
従来の「2ケタ連発」から急降下
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2022年1~3月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ソニーグループ
増収率:1.2%(四半期の売上高および金融ビジネス収入2兆2640億円)
・パナソニック ホールディングス
増収率:7.7%(四半期の売上高1兆9654億円)
・シャープ
増収率:マイナス1.2%(四半期の売上高6015億円)
※シャープは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、同社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
総合電機業界の主要企業3社は、ソニーとパナソニック ホールディングスが前年同期比で増収、シャープは減収となった。
ここで気になるのが、ソニーグループの四半期増収率(前年同期比)に急ブレーキがかかっていることだ。
ソニーグループの四半期増収率は、22年4〜6月期以降、3四半期連続で2ケタ増収が続くなど絶好調だった。
だが、今回の分析対象である22年1~3月期は従来の水準から一転、1%台まで急降下している。
ソニーグループの大幅増収に歯止めがかかった要因は意外なものだった。その正体とは何か。次ページで、各社の増収率の推移とともに解説する。