中国政府がハイテク業界に対し規制緩和に転じる姿勢を見せる中、当のテク大手各社は人員削減を加速する構えを示している。成長が減速していることを受けた動きだ。
中国のインターネットサービス大手テンセントホールディングスや、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を手掛ける北京字節跳動科技(バイトダンス)などの企業は、コスト削減策の一環として新たなレイオフを実施。その数は数千人に上ることが、現・元従業員の話で明らかになった。当局の取り締まり強化で打撃を受けたテク企業は、昨年後半以降、すでに数万人規模の人員削減を行っている。
これまでの人員削減は、赤字事業や非中核部門の再編に重点が置かれていた。だが、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の流行に伴う厳しいロックダウン(都市封鎖)で中国経済は痛手を受け、一部企業は中核事業でもレイオフに踏み切っている。
テンセントは1-3月期の売上高の伸びがほぼ横ばいだった。同社は年末にかけて複数の部門で人員削減を計画している。計画を知る従業員が明らかにした。一部の中核事業も対象で、上級管理職まで影響を受ける可能性が高いという。
関係者によると、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」を手掛ける部門は、短尺(たんじゃく)動画サービス「Channels(チャンネルズ)」担当者を数十人減らす。ビデオゲーム部門も、ユーザー交流サービス担当者の削減に着手した。