空売り筋の間で米国株の先行きへの悲観的な見方が後退している。調査会社S3パートナーズによると、米国の空売り総額は6月に200億ドル(約2兆7000億円)増えた。伸びは5月の610億ドルから減っており、年初からの月次ベースの水準をほぼ下回っている。空売りペースの減速は、投資家が株式市場の底入れが近く、回復に向かうと見込んでいる兆候かもしれない。「相場がピークをつけているタイミングで空売りし、相場の底入れで空売りを打ち止めにするのが常とう手段だ」。クロスマーク・グローバル・インベストメンツのボブ・ドール最高投資責任者(CIO)はこう指摘する。ドール氏によると、同社は割高だと感じていた昨年10-12月期初めに空売りを開始し、1-3月期を通じて継続。それ以降は、売り持ちを一部圧縮したという。