未完成での引き渡しが
増える四半期決算期末
私たちが何か商品を購入する際、「完成品」の購入が前提となる場合がほとんどである。しかし新築戸建て住宅の購入時、「未完成」のまま引き渡し日を迎えるケースが少なからず存在する。
中でも多いのが住宅業界の繁忙期、3カ月に一度行われる四半期決算のタイミングだろう。決算期に売り上げ計上を行い、経営目標の達成に向けた現金回収の必要があるためだ。そのため、3、6、9、12月は未完成のまま引き渡しを受ける事例が多い傾向にあった。
また昨今、コロナ禍や世界的なウッドショック、さらにはウクライナ侵攻などの影響により、住宅設備・建材の納期遅延が発生している。新築住宅需要が高まる中、設備や資材調達が難しくなったことも未完成での引き渡しに大きく関係している。
一方で転勤や異動、子どもの転校や進学のタイミングなど、買い主側にとっても住宅の引き渡しを急ぐ事情もあるだろう。やむを得ず未完成状態で引き渡し日を迎える場合、どのような点に注意が必要になるのだろうか。